ヘレンドストーリー
ポター
ポター(陶工)の仕事は、特別に調合された粘土を使って「無」から「有」を生み出すクリエイティブな仕事です。
デザイナーが形をデザインし、その形をどのようにすれば生み出せるのか、人と素材やテクノロジーとの融合です。
ヘレンドには、現在約170名のポターが在籍しています。
華やかなペインターの影に隠れがちなポターの確かな仕事。縁の下の力持ちのような存在です。
米粒のような小物から高さ2メートルの飾り壺まで、あらゆる造形を190年以上の歴史によって培ってきた技術を駆使して表現する技術者集団です。
ろくろ
キャスティング
(鋳込み)
ヌードルワーク
手ひねり
装飾
透かし彫り
フィギュア
ヌードルワーク
通称スパゲッティワークとも呼ばれ、粘土紐を型に沿って組み合わせてカゴを編んでゆきます。
こうして作るバスケットワークは、習得し慣れた人でも一日15個しか作れないほどの繊細で高度な技術です。
手ひねり
普段は何気なく使っているポットの蓋についているつまみの薔薇が、ひとつひとつ丁寧に手捻りで造られていることをご存知でしょうか。
熟練したポターの指先から蝶のように花びらが舞いだして、それらがみるみる満開の薔薇の花になる。
そのすべてが静かなアトリエの中で当たり前のように進行するのは、ヘレンドの伝統の証です。
透かし彫り
生乾きの状態で両刃の錐状のカッターを使い、地模様に沿って丁寧に透かし彫りを施します。
形が壊れやすいのでスピードと繊細さの両方を兼ね備えた熟練した技が必要です。
チーフマスターポター
József Meződi
ヨーゼフ・メズーディ
ヘレンドの付属学校を優秀生として卒業。その後ヘレンドの最前線で働く。
豊富な専門知識と業務への熱意を併せ持ち、多くの分野にかかわってきた。各プロジェクトのリーダーを経て2005年より成形部門の責任者となる。
手がけた造型作品にはマリアテレジアの透かし皿、ウェールズのカップ、ジャグなど、ヘレンドを代表する作品が多い。
スポーツを愛し、休日は家族と近隣の野山を散策し魚釣りを楽しむ。
Judit Czuppon
ユディット・ツッポン
中学卒業後、1984年ヘレンド付属学校に入学。卒業後ヘレンドに入社。
オープンワークやフラワーメーキングを最も得意とし、「新しい経験などに挑戦することがとても好き。」という言葉通り、新しい商品開発にも意欲的に取り組む。
プライベートでは、2児の母。余暇は美術史の勉強をして過ごす。