
世界のふくろう
1st Season
モンゴロイドの壮大な旅を追って

ホープウェル文化と河川交易
16世紀のヨーロッパ人侵入まで、天然資源に恵まれたウッドランドで先住民はマウンドに象徴される定住文化を育みます。今回のふくろうのパイプもある祭儀用マウンドで発掘された副葬品で、紀元前200年ごろから数百年間オハイオ南部に栄えたホープウェル文化の遺物です。
オハイオ、テネシー、ミシシッピーなどの大河川が、ウッドランドを縦断する形でメキシコ湾までをカバーする広大な交通網を作り、それに乗って各地の特産品である黒曜石、雲母、水晶、珍しい貝殻などの加工品が取引されたのですが、なかでも花形だったのが石で作った喫煙パイプでした。
喫煙はセレモニー
パイプスモーキングは祀りのときシャーマンが精霊に語りかける交信手段で、先史時代から北米全域に共通する古い儀式です。しかもパイプには氏族が祖霊とする動物を象ることが多く、先祖を祭る大切な品です。今回のふくろうパイプも同じ事情でしょう。祖霊になる動物はほかに狼、鹿、熊、隼など多様です。
交易品の高級ブランド
ホープウェルのパイプは見事な造形と美しく磨きぬかれた仕上げで特に人気が高く、氏族間や地域間の貴重な交易品として広く珍重された形跡があります。憧れの文化の中心地オハイオで作られる高級ブランドとして、他の品々を圧倒していたのかも知れません。
2014年ふくろうメダル
ウッドランド南部の代表的遺跡、ポバティーポイント(現ルイジアナ州遺跡)から出土した(紀元前約1500年-700年頃)ふくろうを象った碧玉のビーズ作品より。
高さ | 約8.3cm |
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世界限定 | 3000個 |
